シュタイナー教育の実践




糖尿病、リューマチ

ある年齢になって糖尿病かリューマチになった人を見てみましょう。人々は、いつも現在しか考慮しません。その病気の治療法
しか考えません。治療法を考えることに対しては、なにも反対することはありません。それは正しいことです。しかし、人間の人
生全体を見渡すと、多くの場合、乳歯が永久歯に生えかわるころから性的成熟の時期のあいだに、過剰に記憶を強いられた
か、正しくない方法で記憶力を使ったために、のちに糖尿病になったことがわかります。子どものころ、どのように心魂にかかわ
ったかによって、成人期の健康状態は決まるのです。どのように記憶を形成したかが、大人になってから新陳代謝に作用するの
です。7歳から14歳のあいだに、子どもの魂によって消化されなかった記憶の残余があると、それは身体の残滓としてストック
され、およそ35歳から45歳のあいだにリューマチか糖尿病を引き起こします。(P30)


早期教育と硬化症、および男性の薄毛化の関係

現代の人々の判断に対して、純粋に自然に即した確固とした態度をとるのは、非常に困難なことです。このように自然に即した
方法で子どもを教育しはじめると、子どもは今日要望されているよりも、字を読めるようになるのが遅くなるからです。ヴァルドル
フ学校からほかの学校に転向すると、その学校の生徒がすでに習っていることの多くを、転向した子はまだ教わっていません。
しかし、8歳の子どもがなにを学ぶべきかについて、唯物論的な時代に合った考え方をすることが大切なのではありません。子
どもが幼いうちに字を読むことを学ぶのはよくないということが重要なのです。

幼いうちから字を読むことを学んだ子どもの心身は、大人になると荒廃します。幼いうちから字を読むことを学ばせるのは、あまり
に早くその子に抽象性をもたらすことです。もしみなさまが幼い子どもに読み方を教えなかったら、硬化症になる人間はずっと少
なくなるでしょう。さまざまなかたちで現れる全身の硬化は、誤った方法で読み方を教えた結果なのです。まださまざまな事例が
ありますが、重要なのは、心魂的−精神的に自然に適った授業は、衛生学的に身体に作用するということです。どのように授業
を形成すべきかを理解すると、子どもの人生に健康を与えることも同時に学ぶことになります。もし、学校でもっと健全な方法で
授業がおこなわれていたら、若くして頭が薄くなる男性はこんなにいなかったはずです。(P106)
(関連ページ) 人智学から見た家庭の医学-高校教育と男性の薄毛化との関連