天使たち 妖精たち




善良な妖精と邪悪な妖精

グノームとウンディーネを取り上げましょう。彼らは、人間の意識界に境を接する世界にいます。彼らは、すでに境域の彼方にい
ます。通常の意識は、彼らを不用意に目にすることから守られています。それらの妖精たちは、全員が善良な者たちではないか
らです。

善良な妖精というのは、たとえば昨日述べた、さまざまな方法で植物の生長に働きかける者たちです。しかし、全員が善良な妖
精なのではありません。これらの妖精が活動する世界に入り込むと、善良な者たちだけでなく、邪悪な者たちもいます。

善良な妖精と邪悪な妖精は、何よりも、つぎのような点で区別されます。善良な妖精は植物界と鉱物界に関わります。邪悪な
妖精は、常に動物界と人間界に近づこうとします。邪悪な妖精は、植物界と鉱物界にも関わります。高次の神的存在たちは善
良な妖精に、植物界での働きを割り当てました。それなのに、動物と人間に近づいて、本来なら植物界と鉱物界でやり遂げるべ
きことを、人間のなかで成し遂げようする者たちが、邪悪な妖精たちです。

彼らは人間と動物に近づいてきて、本来なら下等動物に付加すべきものを、人間のなかに物質的な方法で付加します。付加さ
れたものは、すでに人間のなかに存在しています。それは、人間のなかにも動物のなかにも、物質的な方法で付加されていま
す。邪悪なグノームとウンディーネがいるために、人間のなか、動物のなかに、低次の動物あるいは植物存在、つまり寄生虫
(寄生植物)が生きることになります。邪悪な元素霊は、寄生生物をもたらすのです。
(P50-P51)


脳と排泄物

「寄生虫(寄生植物)を呼び出す、邪悪なグノームとウンディーネは、そもそも何のために存在するのか」と、だれかが言うかもしれ
ません。それらの妖精がいなかったなら、人間は脳を形成する力を、自分のなかで発展させることができないでしょう。こうして、
非常に意味深いものに達します。

それを図式的に素描しようと思います。人間は、新陳代謝・四肢組織、胸部・律動組織、頭部・神経組織からなっています。律
動組織を省略すると、下方に向かうプロセスと上方に向かうプロセスがあります。下方で演じられるプロセスの成果は、通常の
生活において、たいてい、ないがしろにされています。排泄プロセスです。腸をとおした排泄、腎臓をとおした排泄などです。下
方への排泄です。人々は排泄プロセスを、単なる排泄プロセスとしてしか考察していません。そのように考えてはいけません。

単に排泄が行なわれるのではありません。排泄物ができると、それと同じ分だけ、脳のなかに存在する物質に似たものが、人
間の下部に霊的に現れます。下部で生じる経過は、物質的展開としては、中途で止まっています。霊的なものに移行するため
に、排泄されるのです。上方では、プロセスは完了します。上方では、下方においてはただ霊的であるものが、物質的に形成さ
れます。上方に物質的な脳があり、下方に霊的な脳があるのです。下方に排泄されるものを、そのプロセスをさらに進行させ
て、改造してみるとしましょう。そうすると、それは脳が最終的に変容したものになるでしょう。

人間の脳は、排泄物から、さらに形成されていったものです。これは医学的にも非常に重要なことであり、16世紀・17世紀の
医者たちには、よく知られていました。たしかに今日、昔の「糞薬局」(ドレックアポテーケ)は貶されますし、その批判の多くは正
しいものです。しかし、「糞のなかには霊のミイラが存在している」ということを、現代人は知りません。もちろん、昔の糞薬局を今
日でも開店すべきだ、というのではありません。いま述べたような、深い関連を考慮すべきなのです。

脳は、排泄物が高次のものへと変容したものにほかなりません。ですから、脳の病気は腸の病気と関係しています。脳の病気
の治療は、腸の病気の治療と関連しています。

グノームとウンディーネがおり、グノームとウンディーネが生きる世界が存在するので、人体下部から寄生虫を発生させる力が存
在するのです。その力は同時に、人体上部において、排泄物を脳へと変容させます。グノームやウンディーネがいるように世界
ができていなかったなら、私たちに脳はなかったでしょう。
(P51-P53) (関連ページ) 人体と宇宙のリズム