霊的宇宙論



中心から周辺へ

どの惑星も、進化の過程で、次第に縮小していきます。それが惑星における物質の運命なのです。現代人の理解力にとって困
難な、おそらくはまったく理解できないことを申し上げるのですが、地球は絶えず縮小しつづけるのです。物質はあらゆる側から
中心に向かって濃縮します。もちろんエネルギー恒存の法則を知った上で、すべてのオカルティストに知られている事実をあえ
て申し上げますと、物質は中心点に向かって、ますます縮小していき、そしてとうとう中心点において消失してしまうのです。一
方の側に押しやられるのではなく、中心点で実際に無の中に消えるのです。すべての物質が中心に向かって凝縮していくので
すから、地球全体もまた、いつかは中心点の中へ消えていきます。

しかしそれがすべてではありません。中心点の中へ消えていくと、周辺からふたたび現れ出るのです。外側にふたたび姿を表す
のです。物質は、空間内のある場所で消えると、その外側からまた現れてきます。中心点の中へ消えてしまうものはすべて、周
辺から現れます。(P189)


天王星・海王星は太陽系に属する惑星ではない

今日の天文学が他の諸惑星と同じように見なしている天王星と海王星は、まったく別の関連の下にあり、私たちの太陽系の生
成とは特に関係をもっていないのです。この両惑星は、土星紀において、周辺にあった存在たちが収縮し、消失し、そして新た
に周辺に生じた星たちなのです。たとえばこの両惑星における逆まわりの衛星その他の諸事実は、この点から理解できます
(P191)


最盛期を過ぎた民族のカルマを背負う人びと

エネルギーにあふれ、行動意欲にあふれた青春期を辿る民族は、時代と共に次々に多様な文化内容を創造していき、そしてひ
とつの頂点に達します。しかしそのすべてが達成されたとき、民族のカルマもまた蓄積されます。土星紀の進化と共にカルマが
蓄積されていくのとまったく同じように、民族文化の形成と共にカルマが蓄積されるのです。このカルマは、民族がその根源的
な力を自分の内から生じさせ、それを最高度に発揮する時点で、もっとも強力に現れます。

地球上では天使、大天使、アルヒャイという高次ヒエラルキアの霊的存在たちが降下して、人類がまだ独立して進歩を遂げるこ
とができずにいたときに、人類を指導し、高みへ導きました。その霊的存在たちは、過去においてそれぞれの成熟を遂げた存在
たちでした。しかし天上から降下して民族を導くその霊たちがその目標に達したとき、別の霊的存在たちが現れて、新たに当の
民族の指導霊になります。

或る民族がその最盛期を過ごしたあとになっても、さらに上昇していこうとするのなら、その民族の指導的な人びとが高次の霊
的存在たちの担い手になることを、みずから選んで引き受けなければなりません。そうできたときにのみ、民族は本来の使命を
乗り越えて、さらに上昇していくことができるのです。

しかしこの場合には、ひとつの条件が満たされなければなりません。すなわち、民族の指導霊であるべき高次の存在たちにあ
えて結びつこうとする人びとは、すでに蓄積されている民族のカルマを自分のカルマとして引き受けなければならないのです。こ
れは民族のカルマを引き受けるときの重要な法則です。或る時点から、指導的な人物が民族のカルマを引き受けなければなり
ません。たとえばヘルメスはそのような人物でした。このことは、偉大な宇宙経過を民族の次元で反映しているのです。(P174-
P175)