黙示録の秘密




アダム、地の子

霊的、エーテル的な存在であった当時の人間は、今日のように両親から生まれるのではなく、母なる大地から生まれたので
す。母なる大地みずからが、この霊的・エーテル的人間を生成しました。人間は地球から分離する以前は、地球と結合した存在
だったのです。柔らかい体のなかに硬化した部分が現れたと表象すると、母なる大地から人間が生まれ出る様子を思いうかべ
ることができます。さまざまな流れによって、人間は地球に結びついていたのです。

当時の人間は、今日とはまったく異なった生活を送っていました。今日では、血液は皮膚の内部の人体内を循環しています。と
ころが、当時は人間の血液は地上の周囲へと流れ出ていたのです。そのころの様子を描くには、「地球のなかに、ある部分がき
わだって周囲と区別されるのが、霊視的なまなざしに感じられる。そしてその内部で統治する力は、多くの糸によって地球のほ
かの部分と結びついている」と、いわねばなりません。

これが、物質的な人間の始まりです。

人間が多くの糸で地球と結びついていた時代がありました。ここで、私たちは意味深い秘密に触れることになります。その秘密
の名残は、今日人間が生まれるとき、母親とへその緒でつながっているということなかに見られます。母親とへその緒でつなが
っているのは、人間が母なる大地と結びついていたことの名残なのです。今日、人間は人間から生まれる人の子ですが、かつ
て、地球がまだ生命的な存在であったころは、地球から生まれる地の子でした。人間は、地球と結びついたへその緒を断ち切る
ことによって、独立した存在となったのです。そして人間は人間から生まれるようになりました。

今日、人間のなかにある血管は、かつて地球全体を貫いていた流れを継承したものであることを明らかにしておく必要がありま
す。神経組織もおなじです。私たちが有している神経は母なる地球のなかへとつづいていっているのです。地球全体を貫いて流
れる神経の一部を切り取ったのが、私たちのなかにある神経なのです。人間の、そのほかの部分に関してもおなじことがいえま
す。人間は母なる地球から生まれたのです。現在、人間の皮膚のなかにあるものは、地球から人間のなかに入ってきたもので
す。地球から人間の実体が受け取られ、その実体は人間のなかに入ったのです。人間は、人の子となる以前、地の子だったの
です。「アダム」というのは、「地の子」という意味です。この名前は、重要な秘密を示唆しています。地上に可視的な人間が現
れる以前、人間が内に有している力のすべてを地球はすでに有していたのです。人間が人間になる以前、地球は人間の諸力を
すでに担っていました。地球が人類を生みだしたのです。今日のように硬化した地球から人間が出現することはありませんが、
まだ生命存在であった地球からは人間が発生することができたのです。このようなことが、レムリア時代に生じたのです。(P170
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